かけがえのないもの
「お兄ちゃん…」

瑠奈は顔を上げた。

「どうした?」

「そろそろ…バイバイの時間になっちゃうみたい…」
見ると、瑠奈の体は透き通っていた。

隼人は震えが止まらなくなった。

納得したこととは言え、

とてつもない寂しさが、一気に襲ってきた。

瑠奈が消えてしまう。

もう、会えなくなってしまう。

もう、思い出を作ることも、一緒に遊ぶことも、喧嘩も、できなくなってしまう。
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