かけがえのないもの
「瑠奈…お兄ちゃんの妹に生まれてきてくれて、本当にありがとう。瑠奈と過ごした時間…ずっと大事にするよ。」

「お兄ちゃんも、私のお兄ちゃんでいてくれて…大切にしてくれて、ありがとう。」

そう言うと瑠奈は目を閉じて顔をゆっくりと隼人の頬に近づけ、

そこにそっと唇を付けた。

「…瑠奈…」

「もし生まれ変わっても、私たち、ずっと仲良しでいようね。ありがとう、お兄ちゃん。大好きだよ…」

その言葉と、天使のような笑顔を残して…



瑠奈は…消えた。
< 120 / 151 >

この作品をシェア

pagetop