かけがえのないもの
「朝ごはんできてるよ、瑠奈…早く起きろよ…」

どんなに呼び掛けようとも、どんなに体を揺さぶろうとも、

瑠奈は、目覚めない。

もう二度と、起きることはない。

隼人の目には、熱い涙が込み上げていた。

「…瑠奈…起きろよ…!
起きてくれよ…!起きて…「お兄ちゃん、おはよう」って言ってくれよ…!瑠奈……!!」

隼人は、激しく瑠奈の体を揺さぶりながら、大粒の涙を流した。
< 129 / 151 >

この作品をシェア

pagetop