かけがえのないもの
「これからもっとたくさん、瑠奈と思い出作ろうと思ってたのに…瑠奈のこと、ずっと大切にするって誓ったのに…
なんで…なんで先にいっちゃうんだよ!!」

隼人は声をあげて泣いた。

こんなに泣いたのは、生まれて初めてだった。

溢れるままに流れる涙。

何度も瑠奈の名前を呼び、枯れんばかりに振り絞る声。

瑠奈との別れがこんなにも怖いとは、

こんなにも悲しいとは…

隼人は、瑠奈のベッドに顔を埋め、

懸命に溢れ出る感情を押し殺した。
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