かけがえのないもの
そして、

隼人には彼女が出来た。

大学の同級生・山口沙織。

同じ授業を取っていて、

隣の席で度々話すうちに意気投合し、

どちらからともなく惹かれ合い、付き合い始めた。

隼人と沙織には共通点があった。

それは

互いに兄弟を亡くしているということだった。

沙織には、4歳年上の兄がいた。

沙織の家の両親も留守がちで

幼い頃から兄と過ごす時間が長かったという。
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