かけがえのないもの
沙織は瑠奈に似ていた。

純粋に感情を表す表情や、明るい声、背格好まで瑠奈にそっくりだった。

沙織もまた、隼人に兄の面影を見出だしていた。

「もしかしたら、私にとってのお兄ちゃんも、隼人にとっての瑠奈さんも、兄弟ってこと以外に…理想のタイプだったのかもね。」

付き合い始めて間もない時、沙織はそう言った。

「そうだね。沙織って…すごく瑠奈に似てるよ。表情とか、声とか…瑠奈の生まれ変わりみたい。」
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