かけがえのないもの
そして今、隼人と沙織は瑠奈の墓前に手を合わせていた。

「瑠奈さん、私達のこと喜んでくれてるかな。」

「大丈夫。きっと喜んでるよ。…俺の幸せを、誰よりも願ってたから…」

隼人は微笑みながら左手を見つめた。

薬指には沙織とのペアリングが、

そして中指には…

瑠奈が隼人を慕い続けた証の指輪が、

太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。

「瑠奈さんが悲しまないためにも、絶対幸せになろう!ね、隼人!」

沙織は背伸びをして隼人にキスした。

「うん。亮平さんも…沙織のお兄さんのことも、喜ばせてあげられるように…」

沙織にキスを返すと、隼人は空を見上げた。
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