かけがえのないもの
隼人が8歳、瑠奈が5歳のとき

「瑠奈。今日はお兄ちゃんがご飯作ってあげるね。」
「うん!楽しみ!」

前日のうちに母が買い揃えてくれた材料の中からオムライスの材料を取り出し、隼人は料理を始めた。

オムライスは隼人が母に教わって初めて上手にできるようになった料理だった。

それまで兄妹が二人きりで過ごすときは、料理は隼人と瑠奈が協力して作っていたが、

この日は初めて隼人が一人で料理に挑戦した。

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