かけがえのないもの
「瑠奈…?」

突然の改まった言葉に、隼人は不思議そうに瑠奈を見た。

「ん…?あ、変な事言っちゃったね。」

ごまかすように笑った瑠奈の表情の中に、一瞬とても寂しげな様子が顕れたのを、隼人は見逃さなかった。

「瑠奈…」

「さ、冷めちゃわないうちに食べよう!いただきまーす!」

「あ、ああ。いただきます。」

瑠奈にはやはり何かあったんだ。兄である自分にも言いにくい何か…

隼人は瑠奈の表情を見ながら考えていた。
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