かけがえのないもの
昔からずっと側で瑠奈を見守ってきた隼人には、

幸せそうな瑠奈の表情に一瞬よぎる悲しげな影が手に取るように分かった。

一体何があったんだろう?

ストレートに聞くべきだろうか。

でも…もし指摘すれば自分の料理を心から美味しそうに頬張る瑠奈を傷つけることにもなりかねない。

兄として、瑠奈が困っている時は真剣に瑠奈の悩みと向き合い、全力で支えたい。

それは、小さい頃から隼人の気持ちとして芽生えていたことだった。

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