かけがえのないもの
「瑠奈ほんとに綺麗に食べるよね。」

食器を片付けながら隼人は微笑んだ。

「だってお兄ちゃんが作ってくれるんだもん。私、お兄ちゃんの料理大好物なんだよ。」

瑠奈は幸せそうにそう言った。

「ありがとう、瑠奈。そう言ってくれたらもっと料理頑張れるよ。」

「うん!…良かった…」

瑠奈はため息混じりに呟いた。

「瑠奈?」

食器をスポンジで洗い終えた隼人は、急に悲しげなトーンになった瑠奈を心配そうに見つめた。
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