かけがえのないもの
瑠奈も年頃の女の子なんだ。

兄であっても異性には話しにくいこともあるだろう。

無理に話させてかえって傷つけることはしたくない。

隼人はそう思った。

「ううん!お兄ちゃんありがとう!やっぱお兄ちゃん優しいね!」

隼人はそんな瑠奈の頭を撫でると、再び瑠奈の正面に座った。

「大切な瑠奈を守るのがお兄ちゃんの役目だからさ…」

隼人は小声で言った。

「え?」

聞こえなかったのか、瑠奈が聞き返す。

「なんでもない。」

「えー!何それー!」

瑠奈は拗ねたような表情になった。
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