かけがえのないもの
「お兄ちゃんも大学受験で忙しかったのに…私に勉強教えてくれて…邪魔しちゃってるなぁって思ってたんだ。」

そう言うと瑠奈は肩をすくめた。

「うーん…瑠奈あんまり頭良くなかったからね。」

からかい半分に隼人が言う。

「うー…そりゃお兄ちゃんに比べたら私なんてバカだよー。」

上目遣いで隼人を睨む瑠奈。

瑠奈の学校での成績は悪い方ではなかったが、志望校である今の高校に入れるかどうかはギリギリのラインだった。

だから瑠奈はいつも以上に一生懸命勉強を頑張り、隼人も瑠奈の頑張りを見て可能な限りサポートした。
< 32 / 151 >

この作品をシェア

pagetop