かけがえのないもの
「可愛いー!お姫様みたーい!」

瑠奈はドレスを体に当てて頬を染めた。

声で、表情で、嬉しさをストレートに表現する。

そんな瑠奈を、家族みんなが愛していた。

「瑠奈は家のお姫様だもの。すごく似合うわよ。」

「ほんと。もっと可愛く見えるよ。」

「うん!すごく可愛い!」

母が、父が、隼人が、瑠奈を眩しそうに見つめながら微笑む。

「ありがとう、お母さん!」

瑠奈は今でも母からもらったドレスをタンスの中で大切に保管している。

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