かけがえのないもの
「瑠奈にとって…すごく思い出に残るプレゼントだったのに…あげた俺が忘れるなんて…最低だよね…」

「お兄ちゃん…そんなこと…ないよ。」

瑠奈はにっこり微笑んだ。

辛い気持ちを堪えるかのような、今にも粉々に砕けてしまいそうな笑顔。

「お兄ちゃんは、私の誕生日とかクリスマスには、いつも素敵なプレゼントくれた。
でも私は…お兄ちゃんに大したプレゼントあげれてないんだもん…」

再び俯いてしまった瑠奈の髪を、隼人はそっと撫でた。

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