かけがえのないもの
「瑠奈がくれたものも、お兄ちゃんにとってすごく大切な宝物なんだよ。
バレンタインの時も、いつも手作りのチョコくれるし…」

隼人は瑠奈の目を見て言った。

「瑠奈は、ほんとにいい子だよ。優しさを絶対忘れないから…でも俺は…」

悔しさが、申し訳なさが、どんどん込み上げてくる。

「お兄ちゃん…もう大丈夫だよ。」

瑠奈が隼人の前髪を掻き分けながら微笑む。
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