かけがえのないもの
「それに…私は、ずっとお兄ちゃんと一緒にいて…お兄ちゃんの努力、一番近くで見てきたから、
目一杯、おめでとうって言いたかったんだ。」

「…そうだね。お兄ちゃんと瑠奈で、一緒に勉強頑張ってきたもんね。」

お互い受験を控えた時期に、励ましあいながら勉強した日々を、隼人は思い出していた。

「私が高校受かった時も、お父さんとお母さん…そしてお兄ちゃんはすごく喜んでくれた。
だから…お兄ちゃんと離れ離れになるくらいで拗ねてわがまま言って、
困らせたくなかったんだ。」

瑠奈はしっかりとした口調で思いを述べた。
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