かけがえのないもの
「瑠奈…なんか信じられないよ…あんなに泣き虫だった瑠奈が…」

隼人の中に感慨深い気持ちが湧き出ていた。

「もー!私はもう子供じゃないんだからね?」

瑠奈はムッとしたように頬を膨らませた。

「でも…やっぱり、寂しさには耐えられなかったみたい。
お兄ちゃんが側にいなくなるんだって思っただけで…すごく寂しくて…切なくなっちゃった。」

「でも…俺に心配させたくなくて…一人で泣いてた…」

瑠奈の心を、隼人が代弁した。
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