かけがえのないもの
「…言わないで。恥ずかしいよ…」

隼人の服の袖を掴んでもじもじする瑠奈の頭を撫でると、隼人は言った。

「あの時…俺、瑠奈にすごく悪いことしたなって思った…でも、それ以上に、すごく嬉しかったんだよ。」

「お兄ちゃん…」

「側にいなくなって、あんなに悲しむほど、瑠奈は俺のこと大切に思っててくれたんだなって。瑠奈みたいな妹がいて、ほんとに良かったって思えた。」

それを聞いた瑠奈の返事は、意外なものだった。
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