かけがえのないもの
「でもね…まだまだ不合格、かな。」

瑠奈はいたずらっぽく笑った。

「えー…どこが足りない?」

困ったように笑いながら隼人が尋ねる。

「彼女いないとこ。」

隼人は思わずずっこけた。

「…悪かったな。」

「ふふっ。お兄ちゃん面白い!」

瑠奈は目を細めて笑った。

「高校の時のお兄ちゃんの彼女可愛かったのにー…もったいないなぁ…」

「思い出させるなよ…」

隼人は高校時代付き合っていた彼女がいたが、家庭の事情で海外に引っ越すことになり、

別れたのだった。
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