大切なもの…〜cherry tree〜
2人だけの空間に、
達也君の声が入り壊された。
「ケント、1回帰ろか」
「…うん」
ケントの腕が真奈から離れる。
『服まだ乾いてないで?』
真奈は、引き止めるように言ったけど、
「夜ケントとくるわ」
達也君の言葉に、
真奈は大きく頷いた。
家を出て、
ケントにバイバイのキスをして車まで見送る。
優子と家に戻ろうとした時、
公園にある物が目に入った。
「真奈。あれって…」
『ちょっと携帯取って来る!』
真奈は優子を残し、
家に入って携帯を持ち、
優子と公園のベンチに向かった。
今の時間は午後1時…