大切なもの…〜cherry tree〜
帰りの車内は静かで、
流れる音楽だけが鳴り響く。
「真奈には俺がおるやろ?」
ケントは真奈の頭を
撫でながら言った。
『慰め?』
真奈は強がって言うと
ケントは笑った。
後部座席を見ると、
大きな鞄が2つ。
真奈は、
また、お泊りかな?
としか思わなかった。
家に着き、
リビングのソファに座ると
ケントが鞄を差し出した。
『なに!?』
鞄を開け、
中を見た真奈は
肩を下ろし俯いた。
「頼むな!真奈ちゃん!」
『まじ?』
真奈が聞くと、ケントは頷いた。