大切なもの…〜cherry tree〜
 


「んじゃ寝言は?」


ケントが達也君に聞いた。


「真奈が1人で泣いとるから呼んだんや。それが寝言になったんやと思う」


『真奈の夢にあった。誰かが呼ぶ声』


優子は話しを聞いて、真奈に近づいた。


「ごめん…」


真奈は、なにも言わずに微笑んだ。


その姿を見て、
ケントは真奈の頭を撫でた。


「俺、達君の弟になるんや」


「そんなん認めません!!」


達也君が断った。


真奈はケントの横に行き、
後ろを歩く達也君の方へ
振り向かえって、


『お兄ちゃん!』


と言った。


今日、久しぶりに
4人が笑顔になった。
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