大切なもの…〜cherry tree〜
真奈は、落ち着いて座席にもたれると、
顔だけケントの方を向いた。
『真奈は、今もこれから先も
ずっと一緒におりたいよ』
質問で返さず、
微笑んで真面目に答えた。
急に車が止まり、
ケントは強くハンドルを握った。
『ケント?』
「真奈は俺に隠しとる事ってある?」
ケントの質問に真奈は、
胸の奥が強く締め付けられるような
感覚に襲われた。
真奈は、
笑って
『ないよ』
と答えた。
真奈は、高鳴る心臓に手を当て、
ケントに見えないように強く拳を握った。
真奈とケントは、車をおりると、
達也君の家に入った。
皆の前で、
真奈はいつものように振る舞った。
誰にも…
ケントにも…
バレないように…