大切なもの…〜cherry tree〜
どこかへ消えてしまった…
本当の真奈の存在…
ケントはきっと、
真奈の日記を読んでしまったのだと思う。
優子ですら知らない真実。
思い出せば、
また同じ事をしてしまうかもしれない。
あの頃の真奈は、
本当におかしかった。
真奈は、立ち上がって部屋に入ると、
真っ直ぐ本棚へ行き、
真ん中の分厚く小さい本を抜いた。
すると、
一冊の日記が出てきた。
鍵付きの日記。
荷物を段ボールに詰める時、
真奈は鍵をかけなかった。
今、
鍵がかかってるという事は、
ケントが読んだという事。