大切なもの…〜cherry tree〜
ケントが電話に出ないようになってから1週間。
真奈は一通のメールを送り、
自分から電話をかけるのはやめた。
【メール見たら連絡して】
だから、真奈は連絡を待つ。
電話が鳴るのは一ヶ月先、
半年先、
一年先かもしれない。
もしかしたら
二度とかかってこないかもしれない。
それでも真奈の中には、
【諦め】という言葉は少しもなかった。
ーピーンポーン…
『!!ケント!?』
真奈は慌てて玄関に向かった。
でも、人影はなかった。
あったのは、
真っ白な封筒が1つだけ。