大切なもの…〜cherry tree〜
『ごめん』
「スッキリしたか?」
真奈は頷いて笑った。
2人でソファに座り、コーヒーを飲んだ。
『ケントな…いっつもコーヒー飲む時、大量に砂糖入れるねん』
「お子ちゃまやからな」
真奈はおでこのヒエピタをはがし、
冷蔵庫から新しいのを出しておでこに貼った。
ケントと連絡が取れなくなり、
悲しくて泣いていたのに
今は、呆れて何も言えない。
「あのな、真奈」
『ん?』
達也君は言いにくそうな顔をして
真奈を見ている。
この話は、
聞いてもいい事なのか。
それとも、
聞かない方がいいのか…。