大切なもの…〜cherry tree〜
『てかどちらさん?』
見知らぬ男は、
リビングの入口に立つと
頭を下げて言った。
「剛です!!変な事してすいませんでした!!」
声の大きさに驚いて、
真奈は目を大きく開いて見た。
すると、
達也君がリビングに入りソファに腰かけた。
「剛こっち座り」
達也君の手招きで、剛君がソファに座る。
ケントもソファに座り、
真奈は4人分のコーヒーを入れて
ケントの横に座った。
「真奈はいつになったらお兄ちゃんって言ってくれるんやろな?」
『お兄ちゃんって呼んでほしい?』
真奈は意地悪な笑みを浮かべた。