大切なもの…〜cherry tree〜
「昔はお兄ちゃんって言いながらくっついてきよったのに」
すねる達也君にケントが、
「お兄ちゃん!」
と言った。
達也君は睨みながら、
「おまえじゃないわ!!」
と叫ぶと
達也君の横に座ってる
剛君が吹き出すように笑った。
久しぶりに、
楽しい時間を過ごした。
いつも達也君は、
真奈を笑顔にしてくれる。
昔は小さな飴で、
今は大きな優しさ。
達也君がお兄ちゃんでよかった。
そして、
ケントが大好きな人でよかった。
真奈の心のノートに、
幸せという新たなページが一枚増えた。