大切なもの…〜cherry tree〜
達也君は笑いをこらえながら剛君と神社の中へ入って行った。
「俺らも行こ!!…姐御」
『ケント!!』
先に行くケントの背中を
追いかけ、
達也君達と並んで歩いた。
去年よりも人が多く、
お参りする人の列が
神社の外までつづいていた。
「ジャンケンして負けた二人が並ぶ!」
「順番が来るまで結構時間かかるで」
達也君の問いに
ケントが答えると
「15分後に交代したらいいやん」
と達也君が答えた。
皆納得して、
ジャンケンを始めた。
勝ったのは、
真奈と剛君。
真奈はケントと一緒にいたかったと心の中で呟き、
ケントを残して
剛君と歩き出した。