大切なもの…〜cherry tree〜
『優子、卒業式くるかな?』
仕事が休みで、ソファで寛ぐケントに話かけた。
「さぁ。中学最後の晴れ舞台やのにな」
卒業式まで一週間。
真奈は優子に電話をかけ、
卒業式の日時を留守電に入れた。
『ケントくるん?』
「達君が行くってうるさいからついて行く」
イベント好きの達也君は、
仕事を休んででも参加する。
一緒にいると恥ずかしくなるくらい、
自分の事のようにはしゃぐので
ケントは、
達也君の監視をかねて
卒業式に来る事になった。
『あー行きたくないな』
「なんで?」
真奈はケントの肩にもたれて手を握った。