大切なもの…〜cherry tree〜
頭の中に、
優子の笑顔と悲しい達也君の顔が浮かぶ。
優しく背中を押す達也君の心は、
きっと苦しかったと思う。
優しく背中を押された優子の心は、
きっと温かくなったはず。
真奈は立ち止まり、
その場で目を閉じた。
目を閉じると
卒業証書を受け取る時や、
先生に花束を渡す場面、
優子の後ろ姿など
次々と映像のように流れた。
この日…
優子は、達也君から離れ…
桜の香りと共に
新たな
幸せの道へ消えていった…