大切なもの…〜cherry tree〜
まだ少し痺れが残っているけど、
1人で歩けるくらいまで感覚が戻っている。
「大丈夫?」
『誰のせい!?』
ちょっと怒ったように言うと、
ケントはご飯を食べてる時
一言も話さなかった。
『てか、なんで家の前におったん?』
ふと思い出したので、聞いてみた。
「暇やし、最近笑ってないから笑わしてもらおと思って」
『ありえん…』
「よう笑わせてもらったわ」
達也君の言葉に真奈は、
呆れた顔をして
残りのご飯を黙々と口に運んだ。