大切なもの…〜cherry tree〜
泣きじゃくる真奈をケントは優しく抱きしめた。
「剛は今笑っとると思うで」
達也君は真奈の頭を撫で、空を見上げて言った。
真奈も空を見上げ月を見ると、
なぜか剛君の笑顔が見える。
いつものように「姐御」と、
からかいながら言ってる笑顔。
真奈も笑って月に
『ばーか』
と言った。
小さな子供が
じゃれあってるように…
あの頃と同じように…
この日の夜空は、
星がキラキラと輝き、月が雲に隠れずはっきり見える。
今まで見た事がないくらい
綺麗な夜空だった。