大切なもの…〜cherry tree〜
 


心配性なケントは、
真奈がなかなか病院へ行かないので、
近くの薬局に薬を買いに行った時、
達也君は、真奈の耳もとで
顔をニヤつかせながら言った。


「生理きとんか?」


『なっ…!?』


達也君から慌てて離れ、
真奈は少し考えた。


最後に生理がきたのは、事件後1回だけで、
それから約3ヶ月も生理がきていない。


真奈は、口元に手を当てて、
達也君を見た。


「おめでた?」


『多分…』


達也君は真奈を抱き上げ、
自分の事のように、喜んでくれた。




でも…




ケントは…



笑ってくれなかった…
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