大切なもの…〜cherry tree〜
 


大量のお酒が入った袋と、
少し大きめの鞄が2つ。


『相変わらず暇人やな』


真奈が2人を見て言うと、
達也君が


「なに!?」


と睨んで言うので、


『冗談でーす』


真奈はふざけて言った。


貰ったお酒を持ってリビングへ行き、
冷蔵庫に入れながら真奈は思った。


ゆっくり休めると思ったのに…


真奈は、
残念そうにため息をついた。


今、真奈は
地獄の入口に立っている。


入らないように踏ん張って。


真奈は、
リビングから部屋に戻り、
再び鞄が視界に入る。


『2人ともその鞄なに?』


と聞くと、


「「お泊りセット」」


声を合わせて言う2人。


地獄の入口の地面が、
少し崩れ落ちた。


「今日1日泊まるのに、なんでそんなに大きい鞄なん?」

優子が聞くと、


「それは、1日じゃないから」


と達也君が言った。
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