大切なもの…〜cherry tree〜
母親の本性
今、
真奈は立ち止まったまま
でいる。
なかなか一歩を踏み出せずにいた。
夢の中の自分。
過去に背を向けたままの
自分。
1人になってから、
自分を甘やかし続けた。
居場所が無くなるのが恐いから。
でも、
いつかは向き合わないといけない。
「なんか今日天気悪いな」
優子が空を見ながら言った。
空を見上げると、
黒い雲が青空と太陽を隠している。
『雨降りそうやな』
洗濯物を入れて、
優子と2人でたたんでいた。
ーガチャ
玄関が開く音。
鍵を持ってるのは、あいつ1人だけ。
とうとうあいつが帰ってきた。
リビングのドアが開き、
あいつの顔が視界に入る。