大切なもの…〜cherry tree〜
 


母親は、お金と男の為ならなんでもする。


父親との離婚もこれが原因だった。


『そんな事が出来るんやったら、とうにやっとる』


真奈はタバコに火をつけ、
大きく煙を吐き出した。


「手持ちは?」


『用意しろって言うならいくらでも』


今の手持ちは、80万円程。


14歳が持つ金額じゃない。


鞄や時計を売れば、
いくらかお金はできる。


「聞いてもいい?」


きっと、どうやって用意するか
聞きたいのだろう。


『聞かん方がいい事もあると思うで』


真奈はたばこを消し、2人の顔を見た。


「教えて」


信用出来る人だから、
真奈はある部屋へと連れていった。


部屋のドアを開け、
クローゼットの扉を開ける。
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