大切なもの…〜cherry tree〜
 


『ちょっと話し長くなっていい?』


「かまへんよ」



真奈が言い出したのに、
何処から話せばいいか
わからず黙りこんだ。


するとケントが話しだした。


「あの家は、真奈の家?優子ちゃんの家?」


『真奈の家』


「やっぱり」


と笑って言った。


『なんで?』


真奈が聞くと、
ケントはビールを一口飲んで笑って言った。


「だって、あの家の家具、白と黒しかないもん」


『何の関係があるん?』


「真奈はいつも白か黒の服やろ?」


納得。


「てか、親は?」


真奈は動きを止めた。


ついにこの話しをする時がきた。


真奈の過去を話す時が…
< 82 / 405 >

この作品をシェア

pagetop