大切なもの…〜cherry tree〜
『ちょっと話し長くなっていい?』
「かまへんよ」
真奈が言い出したのに、
何処から話せばいいか
わからず黙りこんだ。
するとケントが話しだした。
「あの家は、真奈の家?優子ちゃんの家?」
『真奈の家』
「やっぱり」
と笑って言った。
『なんで?』
真奈が聞くと、
ケントはビールを一口飲んで笑って言った。
「だって、あの家の家具、白と黒しかないもん」
『何の関係があるん?』
「真奈はいつも白か黒の服やろ?」
納得。
「てか、親は?」
真奈は動きを止めた。
ついにこの話しをする時がきた。
真奈の過去を話す時が…