大切なもの…〜cherry tree〜
 


「てか、どうやって生活しとったん?」


ケントは真奈に言った。


『中学に入ってすぐ、
優子と相手の男の4人で遊んだ時
一人の男が真奈にプレゼントをした。
その男が連れて来る男は皆真奈にプレゼントするようになった。』


「だからあんなに鞄や時計があったんや」


ケントは納得したようだ。


『ケントが真奈を正座させて説教した日を覚えとる?』

「忘れる訳ないやん」


ケントは頷きながら言った。


『あの日、真奈はそのプレゼントをもらいに
あの車に乗った。
それで、車から出た時ケントが立ってた。
んで、貰った物を売って生活をしとった。』


真奈が話終ると、ケントは俯いていた。
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