大切なもの…〜cherry tree〜
 


優子が助手席から顔を出した。


「ええ感じやん」


『そうなんかな?』


真奈は優しく微笑んだ。


「やっぱり変わるもんやな」


『何が?』


「顔が優しくなった!」


真奈は少し前に優子が
言った言葉を思い出した。


【真奈も本気の恋をしたら魔性じゃなくなるやろ】


優子は思い出したように真奈に聞いた。


「てか、約束の相手どうするん?」


『もう会わへんで』


真奈は言い切った。


そして、心に誓った。


「でも、予約あるんちがうん?」


約一週間前からある予約。


1日ではまわらないので、2日にわけた。


この日の為に引越を延ばしていた。
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