大切なもの…〜cherry tree〜
真奈はケントから少し離れ、
『でも今日いい思い出が1つできた』
と言った。
ケントは、
「これからは嫌な思い出の場所じゃなくて、
いい思い出の場所にしよ!」
と言い真奈にキスをした。
あと何回来たら、
嫌な思い出から
いい思い出になるだろう?
あと何回来たら、
桜が満開になるだろう?
ケントとの思い出、
どれだけ増えるだろう?
幸せな時間は、
永遠に続いて欲しい。
悪夢のような出来事から
救ってくれたケント。
荒れ狂った日々を、
消しゴムで消してしまいたい。
真奈の真っ黒の心に、
ケントのパステルカラーが描かれ始めた。