秘密のkiss
試合は3対1で、柊達のチームが勝った。
柊は、あれほど強い相手と言っていたのに、2得点も決めた。
周りのチームメートに頭を撫でられながら柊は私に気づくと、久しぶりに見る笑顔でこっちに手を振った。
皆の視線が痛くて、私は小さく振り返す。
「じゃあ、そろそろ帰るかな。桜木は?柊を待つのか?」
先輩は立ち上がり、私に聞く。
「あ、いえ。私も帰ります」
柊は多分練習していくだろうし。
「悪いな、この後予定があって送っていけないけど」
「先輩までそんなこと、。一人で大丈夫です」
「それもそうか。じゃあ、気をつけて帰れよ」
そう優しく言われ、先輩とは別れた。
夕食まで時間があったので、私は駅前で買い物をすることを決めた。
駅前の時計台を歩いていると、よく知る人物を見つけた。
「じゃあ、仁、またね♪」
「うん♪また来てね」
「ふふ、分かった」
長身でモデルのような綺麗な女性と、いちゃいちゃしながら話す平井くん…。
やっぱり、女好きなんだ。