アクセル。
「葵…またぼけっとしてるってば。次の移動は看護棟だから一番遠いんだよ?分かってる?」


相変わらず失恋に心を痛めていた私に聡子が喝をいれる。



だってさ…初恋だったんだよ?




最初は聡子も、私のことを、腫れ物を扱うみたいに接していたけれど、



どうにもなんないと諦めたみたい。




どうにもなんないから、


自分じゃどうにもできないから、


ましてや聡子にだってどうにもできないって分かってるのに…


私は聡子にずっと甘えっぱなしの毎日を過ごしていた。




あと数日であっくんと篤美さんは行ってしまう。






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