アクセル。
ゆっくり、あっくんが立ち止まる。


 ……?


何だろ…?


「「……。」」




あっくんは少し斜め後ろの私の方へ振り向いて、

左手を差し出した。


「…暗いから。」



「……///」



あっくんと私は、手を繋いで歩いた。


少女マンガと違うのは、恋人繋ぎじゃなかったってこと。


私は恋人じゃないって言われてるみたいだし、恋人繋ぎじゃなくていいって言ったら嘘になる。


でも、好きな人と手を繋ぐって嬉しいものなんだね。


知らなかったよ。

手を繋ぐと、あっくんが一気に近くなった気がした。


「…ありがと///」


ぼそっと言ってみる。
“ございます”を言えるほど、余裕はなかった。


「…ん//」


短いその返事は、あっくんの照れ隠しなんじゃないかって思った。




< 189 / 247 >

この作品をシェア

pagetop