ライフ オア デスティニー
「だから! あなたまで投げることはなかったって言ってるの」
「俺に預けたのはあんたでしょう。自分の胸裂いて。俺が内心動揺しなかったと思ってる? 傷はもうふさがりましたか? 心配です!」
「良い? あなたには拒否権があったの。それを、面白半分に、使い方も知らないで、剛速球投げたのは、完全に! あなたひとりの勘違いよ」
「いや~、パチンコにしとけば良かった。そうしたら急所外してやれたのに、いやはや。誰かさんがどこぞへ訴えると言うからやめたのに、競技からも外されて……俺は今頃キングだったかもしれないのに」
「どっちにしろ不可です!」
エラルドは真剣な顔をして、反論を試みた……一応。
「おもしろ半分なんてとんでもないよ。エヴがオーブの扱い、知らないのがいけなかったっていうハナシでしょ」
「あんなもの、腐るほど家にあるわ。特別なものだなんて思ったことすらない」
「これだから……」
エラルドは頭を抱えた。素知らぬ顔のエヴ。遠くを見て、ぽつん、と言った。