ライフ オア デスティニー
「まったく………なんだから」
エラルドはこくり、と喉を鳴らして言った。
「俺はあんたが愛おしいよ。その暖かさも。情熱も……」
「知ってるわよ。幼なじみなんだから」
「はは……だよねー……って、違うダロ! エヴ、なんかごまかしてない?」
エラルドは瞳に真実を語る。
(愛してるよ)
(恋してるよ)
(愛してるよ)
エヴァンジェリンは心の涙で応える。
(愛してなんかいないわ)
(恋してなんかいないわ)
(愛してなんか……いないわ)
「なんて……顔をするんだ」
「えっ、なんて言ったの」
エヴァンジェリンは自分がどんな顔をしているのかわかっていない。
「ったく、お姫様って言ったの」
「筋肉痛のお姫様はいないと思うなあ」
「何あんた、筋肉痛なの? はやく言いいなさい」
エラルドはなんの違和感もなく彼女の腕を取る。
「別にいつものことだし、慣れたから」
「冗っ談じゃない。俺はあんたの回復術買ってんだからな。ひとりでいろいろ頑張りすぎないように! 重いものも持っちゃ駄目」
「ひとを重病人か何かのように……甘やかさないでほしいなあ。なれると軟弱になって試合どころじゃなくなる……」