ライフ オア デスティニー



 彼は所在なげに足で籐家具の古めかしいゆりかごを揺らした。エラルドの家から持ってきたものだ。



「やっぱやめた! これ、前も着たし、血で汚れてたし、捨て捨て」



「ゴルドン……あんたは偉大だ。こんなやつの付き人なんて、俺は続けられそうにねえ」



 こっそり呟いたつもりなのに、



「あら、彼が一時暇したからって、あたし達のやることは変わらないわよ」



 やっぱり聞きとがめられた。



「よっし! いっちょきわどいのでもいくかあ!」



「俺も暇したい……」



 天界では雲も無くさんさんと陽(ひ)が照っていた。エヴは控え室の小さな窓から空を見て、ふと思い出したかのように言い出した。 



「ねえ、エラルド。もしもよ? とんでもないおみやげをプレゼントしなきゃならないとしたら……何を基準に相手を選ぶ?」



「ん~、やっぱそのひとを愛せるかどうかだと思う」



「じゃー、キライなひとには爆弾送るんだ?」



「エッ……」




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