ライフ オア デスティニー
「ねえねえオン爺、エヴのお話、またしてよ」
「エヴは、みんなが眠ってる間にも戦ってる。僕、大きくなったら、きっと地界へ行き、エヴと一緒に戦うんだ。絶対だよ。ねえオン爺」
オン爺、と呼ばれた語り部は深く息をつき、
「おお、良い子らだ。そんなことにならぬよう、エヴは地上をはいつくばっても戦っている。おまえさん方は今は心配せんでいい」
光る瞳らの中にひときわ大きな星を持ってはち切れんばかりのオーラを持つ子がいた。
「ねえ、オン爺はエヴに会ったことある? エヴって僕たちよりも大人だよね。エヴにも小さい頃ってあったのかなあ」
大きな目をくりくりさせてその子は問う。
「えー! そんなのありっこない!」
時間の概念が未発達の子供達ではそういう結論になる。エヴァンジェリンは最初から強かった。翼も六枚、命のオーブをいくつも持つ、火炎を吐き、地獄の獄卒達とも、たった一人で渡り合った、と。