ライフ オア デスティニー



「そうか、それは良いことを聞いた。おまえさんは大切なことを教えてくれた。
……彼女はな、エヴァンジェリンは自分が特別であることを知っていた。

 誰一人、欠けることなく寄り集まり、個々、それぞれが大切にされ、互いを尊ぶ心を自然とわかっていた。

 彼女は全ての輪のつなぎ目を知り、かたく結び合う絆のような者だったのだ。

 だからなかなか自由に本音を伝えられないときもあったのだ。サイレス、ときにはおまえさんのようにな。

 そのひとはとても貴重な……わかりやすそうでわかりにくい、本当のことを伝えてくれたのだよ」



「ホンネをツタエルってなあに?」



 ふいに他の子が聞き始めた。



「心に嘘や偽りのない大切な真心を、ひとのために飾らずに贈ることだよ」



「ココロにうそ」



「マゴコロにうそついたら?」



「ダメだよ、うそはホントじゃないんだから」



「ホンネはホント? マゴコロっておいしい?」






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